松濤館岡野派 宗家 謙交塾武道館

武術太極拳とは?
太極拳はもともと武術で、他人と戦い、打ち倒すことを目的としてきました。しかし、ほかの武術と違って、太極拳は気功の達人によって編み出されたものなので、一般に『気』を用いる中国武術の中でもひときわ気功的要素が強く、その練習方法はそのまま気功として用いることができます。その面から言えば、太極拳は気功の一部分、それも非常にすぐれた総合的な気功法です。しかし、医学と結び付いて発達してきた気功法は、ひとりひとり体質も性格も病状も違う人の保健治療に対して実に多様な、きめこまやかな答えを持っています。従って、太極拳さえしていれば、気功はまったくいらないということにはなりません。動作を自然に出来るまで習熟し、その上で、気の流れを制御できるようになれば、気功と同様の効果が期待できます。
 
太極拳の健康効果としては、次の事柄が挙げられます。
  • 1. 筋肉への効果
    ゆっくりした意識的全身運動で、全身の筋繊維(特に下半身)を効率よく動員するので、足腰の筋肉が強化される。 ⇒ 「転倒防止効果」
  • 2. 大脳への効果
    意識が導く運動により、大脳皮質の血行が増加し大脳が活性化される。
  • 3. 内臓への効果
    練習中は、血液は身体の表部(筋肉)に集まっているが、運動が終了すると反対に内臓の活動を盛んにし、副次的に消化吸収を助長する。
 
  • 4. 精神面への効果
    練習により、脳波にアルファー波が発生する。また、エンドルフィンが分泌され、「気持ち良さ」を作り出し、精神面、情緒面に良好な効果をもたらす。
  • 5. 脊椎および軟部組織への効果
    上下、前後、左右に無理なく動く全身運動は、現代人に欠落している背骨の運動として非常に効果的である。
  • 6. 自己治癒能力への効果
    太極拳の運動によって、心肺機能が増進し、血液性状が良好に保たれる結果、自己防衛免疫能力も増え、「気持ち良さ」を作り出し、精神面、情緒面に良好な効果をもたらす。